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黒ねこさん、白ねこさん

やさしくなでてあげよう

昨年から通われている5歳の双子ちゃん姉妹。

ある日のレッスンで、脱力が急に上手になってきれいな響きの音を出せるようになっていました。家での練習をお母様に聞いてみると、「白鍵は白ねこさん、黒鍵は黒ねこさんなんだよ。たたかないで優しく撫でてあげよう、小指でも触ってあげようね。」と教えたのだそう。ねこが大好きな二人は、すぐに理解したそうです。ペットを撫でるように優しくタッチする、とは私もよく言うのですが、白ねこさん黒ねこさんは思いつきませんでした。お子さんの目線に立ったお母さんの発想がすばらしい!

ピアノを弾こう!と思うと、思うだけで力が入ってしまうことがあります。そんな時に「力を抜こう、抜かなきゃ」と思ってもうまくいきません(ピアノに限らずですね)。

日常の中で、何気なく行っている動作の中にヒントがあります。何かを取ろうとふと手を伸ばすとき、力は入っていませんよね。お菓子を持って食べているときは、味に集中(?)していますから手のことなんて忘れていますよね。犬でもネコでもうさぎでも好きな動物をなでているとき、心の中は「可愛いな」という気持ちと目の前の動物のことでいっぱいですね。緊張したり力んだりする余地はありません。

もちろん動物をなでる動きとピアノを弾く動きは違いますが、触れたい愛情を伝えたいという心で触るのは同じです。指先の細かい動きではなく、腕を楽にする感覚をつかむにはぴったりだと思います。動物が苦手な方は、なにかご自分の好きなものに置き換えて考えてみてください。

ピアノにも愛情をもって触れてあげてください。そうしたらピアノも応えてくれますよ^^